第13話 利用者さんからいただいた大切な言葉

介護の仕事を始めてしばらく経った頃。

少しずつ仕事にも慣れ、利用者さんのお名前や性格も覚えられるようになってきました。

毎日関わっていると、利用者さん一人ひとりに違った人生があり、たくさんの経験をされてきたことを感じます。

ある日のことです。

いつものように利用者さんとお話をしている時でした。

一人の利用者さんが、ふと昔の話をしてくださいました。

「昔は、こんな仕事をしていたんだよ。」

「こんな経験をしてきたんだよ。」

普段の何気ない会話の中でしたが、自分の大切な思い出や人生経験を話してくださったことが、私は素直に嬉しかったです。

少しずつ信頼していただけているのかな。

そんな気持ちになりました。

そして最後に、

「いつもありがとうね。」

そう声をかけてくださいました。

何気ない一言でした。

でも、その言葉を聞いた瞬間、胸が温かくなりました。

私は仕事として介護をしている。

利用者さんを支える側だと思っていました。

しかし実際は違いました。

利用者さんの笑顔。

優しい言葉。

昔の経験を楽しそうに話してくださる時間。

気づけば、私自身がたくさんの元気をいただいていました。

介護の仕事を始める前、私は「介護=大変な仕事」というイメージを持っていました。

もちろん、体力的に大変なこともあります。

責任の重さを感じる場面もあります。

それでも、この仕事には数字では表せない喜びがあります。

人生の先輩である利用者さんから教えていただくことも、たくさんあります。

60歳から介護の世界へ飛び込んだ私。

最初は、分からないことばかりでした。

失敗して落ち込むこともありました。

でも、利用者さんからいただく何気ない一言が、

「また明日も頑張ろう。」

そう思わせてくれます。

介護とは、一方的に支える仕事ではありません。

人と人が関わり、お互いに温かい気持ちを分け合う仕事なのだと感じています。

これからも利用者さんとの一つひとつの出会いを大切にしながら、少しずつ成長していきたいと思います。

【次回予告】

第14話 まだまだ続く学びの日々

少しずつ慣れてきた介護の仕事。

しかし現場では、毎日のように新しい気づきがあります。

利用者さん一人ひとりに合わせた対応の難しさ。

そして介護という仕事の奥深さ。

次回は、経験を重ねる中で感じた「学び続ける大切さ」についてお話しします。

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