会社を退職すると、健康保険や年金、雇用保険、税金など、さまざまな手続きが必要になります。
私自身、33年間勤めた会社を退職してみて、「退職前に知っておけばよかった」と感じることがいくつもありました。
そこで、退職前から再就職後までに確認しておきたいことを、4つのチェックリストにまとめました。
まずは、ご自身に必要な手続きを確認してみてください。
【保存版】退職時にやることチェックリスト
退職前チェックリスト

退職時チェックリスト

退職後チェックリスト

再就職時・年末チェックリスト

※チェックリストだけでは分かりにくい部分もあるため、ここからは特に確認しておきたいポイントを補足していきます。
退職前に確認しておきたいポイント
退職が決まったら、まず確認しておきたいのが、会社を辞める前にしかできないことです。
退職後でも手続きできるものはありますが、会社を通して確認・申請するものや、在職中に準備しておいたほうがスムーズなものもあります。
ここでは、特に確認しておきたいポイントを整理します。
有給休暇の残日数を確認する
まず確認しておきたいのが、有給休暇が何日残っているかです。
退職日が決まってから慌てないためにも、早めに残日数を確認し、引き継ぎなどを考えながら取得予定を立てておくと安心です。
有給休暇は退職後に持ち越すことはできないため、取得を希望する場合は、退職日までの日程を確認しておきましょう。
退職後の健康保険を考えておく
会社を退職すると、それまで加入していた会社の健康保険の資格を失います。
退職後すぐに次の会社へ入社しない場合は、主に、
- 今までの健康保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 家族の健康保険の扶養に入る
といった選択肢があります。
保険料はそれぞれ異なるため、退職してから考えるのではなく、退職前に比較しておくことが大切です。
雇用保険の加入期間を確認する
退職後、すぐに再就職しない場合は、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受けられる可能性があります。
受給できるかどうかや給付日数などは、雇用保険の加入期間や離職理由などによって変わります。
退職前に、自分の雇用保険の加入状況を確認しておくと、その後の手続きを進めやすくなります。
企業型DCなどの退職後の手続きを確認する
勤務先で企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入している場合は、退職によって手続きが必要になることがあります。
転職先の制度や年齢などによって、資産を移換する場合や受け取りを検討する場合など、対応が異なります。
企業型DCは、退職したら自動的にすべての手続きが終わるわけではありません。
加入している方は、退職前に会社の担当部署や制度の案内を確認しておきましょう。
会社の福利厚生や社内制度を確認する
意外と忘れやすいのが、会社独自の福利厚生や制度です。
財形貯蓄、持株会、団体保険、社内積立などを利用している場合は、退職によって解約や変更などの手続きが必要になることがあります。
長く勤めているほど、加入したこと自体を忘れている制度があるかもしれません。
退職前に給与明細や社内制度の案内などを一度確認しておくと安心です。
退職前だからこそ確認しておきたい
退職すると、会社の社内システムや資料を自由に確認できなくなる場合があります。
そのため、退職が決まったら、
「退職後に必要になるものはないか」
という視点で、早めに確認しておくことが大切です。
私自身も実際に退職してみて、退職後になって初めて気づいたことがいくつもありました。
すべてを一度に覚える必要はありません。
まずはチェックリストを使って、自分に関係する項目に漏れがないか確認することから始めてみてください。
退職時に確認しておきたいポイント
退職するときには、会社から受け取る書類や返却するものがあります。
特に、退職後の健康保険や雇用保険、再就職先での年末調整などに必要になる書類は、忘れずに確認しておきましょう。
会社から受け取る書類を確認する
退職時には、会社から受け取る書類がいくつかあります。
主なものとして、
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 健康保険資格喪失証明書
- 退職所得の源泉徴収票(退職金を受け取った場合)
などがあります。
すべての人に同じ書類が必要になるわけではありませんが、退職後の手続きや再就職先への提出に必要になることがあるため、何を受け取るのかを確認しておくことが大切です。
会社へ返却するものを確認する
会社から借りていたものも、退職時に返却します。
社員証、制服、パソコン、携帯電話、鍵など、会社によって返却するものは異なります。
また、健康保険関係の書類などについて返却が必要なものがある場合は、勤務先の案内に従いましょう。
返却漏れがないように、会社から案内された内容を確認しておくことが大切です。
書類が届かない場合は会社へ確認する
源泉徴収票や離職票などは、退職日にすべて受け取れるとは限りません。
退職後に郵送される場合もあるため、いつ頃、どの書類が届くのかを退職前に確認しておくと安心です。
また、退職後に住所が変わる予定がある場合は、会社に新しい送付先を伝えておきましょう。
退職後に確認しておきたいポイント
退職後は、健康保険や年金、雇用保険など、自分で行わなければならない手続きがあります。
中には期限が決められているものもあるため、退職後は早めに確認しておきましょう。
健康保険の切り替えをする
退職すると、会社で加入していた健康保険の資格を失います。
退職後すぐに次の会社の健康保険に加入しない場合は、主に、
- 今までの健康保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
- 家族の健康保険の扶養に入る
という選択肢があります。
協会けんぽの任意継続を選ぶ場合は、原則として退職日の翌日から20日以内に手続きが必要です。
保険料や加入条件がそれぞれ異なるため、自分に合った方法を選びましょう。
国民年金への切り替えを確認する
20歳以上60歳未満の方が退職し、次の会社の厚生年金にすぐ加入しない場合は、原則として国民年金への切り替えが必要です。
手続きの期限は、原則として退職日の翌日から14日以内です。
再就職まで期間が空く場合は、年金の手続きを忘れないようにしましょう。
雇用保険の手続きを確認する
退職後、すぐに再就職せず仕事を探す場合は、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受けられる可能性があります。
手続きには離職票などが必要になるため、会社から必要書類が届いているか確認しましょう。
基本手当を受けられる期間や日数は、離職理由や雇用保険の加入期間などによって異なります。
自分が対象になるか分からない場合は、住所地を管轄するハローワークで確認しておくと安心です。
退職後は「期限」を意識する
退職後の手続きで特に注意したいのが、手続きの期限です。
会社員のときは会社が行ってくれていた手続きも、退職後は自分で確認しなければならないものがあります。
チェックリストを見ながら、
「何を・いつまでに・どこで手続きするのか」
を一つずつ確認していきましょう。
再就職時・年末に確認しておきたいポイント
退職後に再就職した場合は、新しい勤務先で社会保険への加入や年末調整などの手続きがあります。
前の会社から受け取った書類が必要になることもあるため、なくさずに保管しておきましょう。
再就職先の社会保険への加入を確認する
再就職先で一定の加入条件を満たす場合は、健康保険や厚生年金などの社会保険に加入します。
加入手続きは基本的に勤務先が行いますが、いつから加入するのかを確認しておくと安心です。
それまで国民健康保険に加入していた場合などは、再就職後に別途手続きが必要になることもあります。
雇用保険の手続きを確認する
再就職先で雇用保険の加入条件を満たす場合は、新しい勤務先で加入手続きが行われます。
また、雇用保険の基本手当を受給している途中で早く再就職した場合には、条件を満たすと再就職手当を受けられる可能性があります。
該当する可能性がある場合は、ハローワークで確認しておきましょう。
前の会社の源泉徴収票を提出する
年の途中で退職し、その年のうちに再就職した場合は、原則として前の会社から受け取った給与所得の源泉徴収票を新しい勤務先へ提出します。
新しい勤務先では、前職分の給与と合わせて年末調整を行うために必要になります。
源泉徴収票は、受け取ったら大切に保管しておきましょう。
年末調整・確定申告が必要か確認する
再就職先で年末調整を受けられる場合でも、状況によっては確定申告が必要になることがあります。
また、年内に再就職しなかった場合など、年末調整を受けていない方は、確定申告によって所得税が還付される場合もあります。
退職した年は収入や勤務先が変わることも多いため、年末になったら年末調整だけで手続きが完了するのか、確定申告が必要なのかを一度確認しておきましょう。
退職から再就職までの書類はまとめて保管する
退職から再就職までには、会社や役所、ハローワークなどからさまざまな書類を受け取ります。
特に、
- 源泉徴収票
- 雇用保険関係の書類
- 健康保険・年金関係の書類
- 退職金関係の書類
などは、後から必要になる場合があります。
すぐに使わない書類でも処分せず、退職関係の書類としてまとめて保管しておくと安心です。
退職を経験して分かったこと
私自身、長年勤めた会社を退職し、再就職するまでの間に、健康保険や年金、雇用保険、税金など、さまざまな手続きを経験しました。
振り返ってみると、退職してから初めて知ったことや、「退職前に知っておけば、もう少し余裕をもって準備できた」と感じたこともあります。
今回のチェックリストは、そんな自分自身の経験を振り返りながら、これから退職を迎える方に確認しておいてほしいことをまとめたものです。
すべての手続きが全員に必要なわけではありませんが、退職前から再就職後までの確認用として、このチェックリストを活用していただければ幸いです。
そして、それぞれの制度について詳しく知りたい方は、当ブログの**「制度活用10選」**で個別に解説しています。チェックリストの中で気になる制度がありましたら、あわせて参考にしてみてください。
参考・出典
※2026年8月30日時点で確認した公的機関・公式情報をもとに作成しています。
・日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
退職後の国民年金への切り替え、退職日の翌日から14日以内の根拠です。
日本年金機構|国民年金に加入するための手続き
・全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」
任意継続の条件、退職日の翌日から20日以内の根拠です。
協会けんぽ|任意継続
・国税庁「給与所得の源泉徴収票」
中途退職者への給与所得の源泉徴収票は、退職の日以後1か月以内に交付することが確認できます。
国税庁|給与所得の源泉徴収票
・国税庁「退職所得の源泉徴収票」
退職所得の源泉徴収票等も、退職後1か月以内に本人へ交付することが確認できます。
国税庁|退職所得の源泉徴収票
・ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
離職票、雇用保険被保険者証、基本手当の手続きについて確認できます。
ハローワーク|雇用保険の具体的な手続き
・iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
企業型DCを退職後に放置した場合の6か月以内の移換・自動移換について確認できます。 iDeCo公式サイト|よくあるご質問

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