リスタート物語では、私自身の退職や再就職の経験を中心に書いていますが、この「制度」の記事では、年金に関係する振替加算について、もう一歩踏み込んで、仕組みや対象となる条件を分かりやすく整理していきます。
「加給年金は聞いたことがあるけれど、振替加算はよく分からない」
という方も多いのではないでしょうか。
振替加算は、加給年金と関係の深い制度です。
ただし、すべての夫婦が対象になるわけではなく、生年月日や厚生年金の加入期間などによって対象になるかどうかが決まります。
この記事では、
- 振替加算とは何か
- 加給年金との関係
- どんな人が対象になるのか
- いくら加算されるのか
- 手続きは必要なのか
について整理します。
※この記事は2026年8月23日時点の日本年金機構の情報をもとに作成しています。
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振替加算とは?
振替加算とは、一定の条件を満たした配偶者の老齢基礎年金に加算される年金です。
夫(妻)の老齢厚生年金などに「加給年金額」が加算されている場合、その対象となっている妻(夫)が65歳になると、原則として加給年金は終了します。
その際、一定の条件を満たしていれば、今度は65歳になった妻(夫)自身の老齢基礎年金に「振替加算」が加わります。
つまり、簡単に表すと、
加給年金
↓
配偶者が65歳になる
↓
加給年金が終了
↓
一定の条件を満たせば
↓
配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算
という流れです。
ただし、加給年金と振替加算は別の制度なので、加給年金と同じ金額がそのまま振り替えられるわけではありません。
振替加算を受けられる主な条件
振替加算を受けるには、いくつかの条件があります。
主な条件を確認してみましょう。
生年月日の条件
振替加算の対象になるのは、原則として、
1926年(大正15年)4月2日から1966年(昭和41年)4月1日までに生まれた方
です。
ここは非常に重要です。
1966年(昭和41年)4月2日以降に生まれた方には、振替加算はありません。
振替加算は、年齢が若くなるにつれて金額が少なくなる仕組みになっており、1966年4月2日以降生まれでは0円になります。
配偶者の加給年金の対象となる条件を満たしていること
基本的には、夫(妻)の老齢厚生年金などについて、妻(夫)が加給年金額の対象となっていたことが条件になります。
ただし、配偶者が65歳より後に老齢基礎年金の受給権を取得した場合など、実際に加給年金を受け取っていなくても、一定の条件を満たすことで振替加算の対象になる場合があります。
そのため、
「加給年金を実際にもらっていなかったから、振替加算も絶対にもらえない」
とは限りません。
自分の厚生年金などの加入期間が原則20年未満であること
ここは、加給年金の条件と混同しやすいところです。
加給年金で「厚生年金20年以上」が求められるのは、加給年金を受け取る夫(妻)側です。
一方、振替加算で「20年未満」が条件となるのは、振替加算を受け取る妻(夫)側です。
振替加算を受ける本人が老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合、厚生年金保険と共済組合等の加入期間を合わせて240月(20年)未満であることが原則的な条件です。
つまり、自分自身が長期間会社員などとして厚生年金に加入してきた方は、原則として振替加算の対象になりません。
なお、生年月日によっては、40歳以降(女性の場合は35歳以降)の厚生年金加入期間による別の条件もあります。
振替加算はいくらもらえる?
振替加算の金額は一律ではありません。
2026年度(令和8年度)の振替加算額は、対象者の生年月日によって異なります。
最も高い場合は**年額243,100円(月額20,258円)**ですが、生年月日が若くなるにつれて減額されます。
たとえば、1961年(昭和36年)4月2日から1966年(昭和41年)4月1日生まれの方は、**年額16,335円(月額1,361円)**です。
そして、1966年(昭和41年)4月2日以降生まれの方には振替加算はありません。
そのため、振替加算を考えるときには、まず自分の生年月日が対象になっているかを確認することが大切です。
加給年金と振替加算は同じ金額ではない
ここは間違えやすいポイントです。
2026年度(令和8年度)の配偶者に対する加給年金額は、一定の生年月日の受給権者の場合、特別加算を含めて年額423,700円です。
しかし、配偶者が65歳になって加給年金が終了したあと、その423,700円がそのまま振替加算として支給されるわけではありません。
振替加算は、振替加算を受ける本人の生年月日に応じて別に金額が決められています。
したがって、
「加給年金が振替加算に名前を変えて、そのまま同額支給される」
という制度ではないことに注意が必要です。
振替加算はいつから受け取れる?
基本的には、加給年金の対象となっている妻(夫)が65歳になり、老齢基礎年金を受けられるようになったときから振替加算が加算されます。
それまで夫(妻)の年金に加算されていた加給年金は終了し、条件を満たしていれば妻(夫)自身の老齢基礎年金に振替加算がつく形になります。
夫婦単位で見ると、
「夫(妻)の年金への加算」から「妻(夫)本人の年金への加算」へ変わる
と考えると分かりやすいでしょう。
振替加算には手続きが必要?
振替加算は、基本的には特別な手続きが必要ないケースがあります。
ただし、すべての場合に自動的に加算されるとは限りません。
たとえば、妻(夫)が65歳になった後に、夫(妻)が厚生年金の加入期間240月を満たして老齢厚生年金を受けられるようになった場合などには、
「国民年金 老齢基礎年金額加算開始事由該当届」
の提出が必要になることがあります。
自分が振替加算の対象になる可能性があるのに年金額に反映されていない場合は、年金事務所などで確認したほうが安心です。
振替加算で特に注意したいポイント
振替加算については、次の点を覚えておくと分かりやすいでしょう。
① 加給年金と振替加算は別の制度
加給年金と同じ金額が、そのまま振替加算になるわけではありません。
② 生年月日の条件がある
1966年(昭和41年)4月2日以降生まれの方には振替加算はありません。
③ 厚生年金の加入期間も重要
本人の厚生年金・共済組合等の加入期間が原則20年以上の場合は、振替加算の対象になりません。
④ 自動的に加算されないケースもある
状況によっては届出が必要になるため、対象になる可能性がある場合は年金事務所などで確認することが大切です。
まとめ
振替加算は、加給年金と深く関係する制度です。
夫(妻)の年金に加算されていた加給年金は、対象となっている妻(夫)が65歳になると原則として終了します。
その後、一定の条件を満たしていれば、妻(夫)自身の老齢基礎年金に振替加算が加わります。
ただし、
「加給年金を受けていたら、必ず振替加算も受けられる」
というわけではありません。
特に重要なのが、
生年月日
と
厚生年金などの加入期間
です。
振替加算は、厚生年金への加入期間が短かった配偶者の年金を補う意味合いを持つ経過措置です。現在はパート・アルバイトにも社会保険の適用が拡大されており、制度を取り巻く環境は大きく変わっています。
参考・出典
日本年金機構
「加給年金額と振替加算」
日本年金機構
「振替加算を受けられるようになったとき」
※制度や金額は今後変更される可能性があります。最新情報は日本年金機構などの公式情報をご確認ください。
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