第15話 60歳から始めた仕事で感じた自分の変化

介護の仕事を始めて、少しずつ時間が経ちました。

最初は覚えることだけで精一杯でした。

利用者さんのお名前。

一日の流れ。

介助の方法。

先輩職員の動き。

毎日が新しい経験の連続でした。

「早く仕事を覚えなければ。」

そんな気持ちで毎日を過ごしていました。

しかし、介護の現場で働くうちに、少しずつ考え方が変わってきました。

介護の仕事は、ただ作業を覚える仕事ではない。

目の前にいる一人の人生と向き合う仕事なのだと感じるようになりました。

利用者さん一人ひとりに、歩んできた長い人生があります。

楽しかった思い出。

苦労された経験。

大切にしている習慣。

その方の人生を知らずに、本当の意味で寄り添うことはできないのかもしれません。

以前の私は、33年間勤めた会社を退職し、60歳から新しい仕事を始めることに不安もありました。

「この年齢から新しいことを覚えられるのだろうか。」

「若い人たちについていけるのだろうか。」

そんな気持ちもありました。

でも今は思います。

年齢を重ねたからこそ、活かせるものもある。

これまで経験してきたこと。

人との関わり。

失敗や苦労。

そのすべてが、今の自分を支えてくれているのだと。

もちろん、まだまだ分からないことばかりです。

失敗することもあります。

反省する日もあります。

それでも、一日一日利用者さんと関わる中で、自分自身も成長させていただいているように感じます。

60歳からの挑戦。

それは決して簡単な道ではありません。

でも、新しい環境へ一歩踏み出したからこそ見える景色があります。

これからも焦らず、比べず、一歩ずつ。

利用者さんから学ばせていただく気持ちを忘れずに、60歳から始めた新しい人生を歩んでいきたいと思います。

【次回予告】

第16話 60歳という節目 〜人生後半をどう生きるか考えた日〜

60歳。

以前の私にとっては、まだまだ先の話だと思っていた年齢でした。

しかし実際にその時を迎えた時、考えたことがあります。

これから先の人生を、どう歩んでいくのか。

何を大切にして生きていくのか。

退職、再就職、そして新しい挑戦。

60歳という節目は、人生を終える準備ではなく、新しい人生を考えるきっかけになりました。

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