第33話では、繰上げ受給と繰下げ受給、それぞれの特徴についてお話ししました。
制度を調べていく中で、私は最終的に「65歳から受け取る」という方向で考えるようになりました。
もちろん、最初から答えが決まっていたわけではありません。
「早く受け取った方が安心ではないか。」
そう思ったこともありました。
一方で、受給を遅らせれば年金額が増えることも知り、繰下げ受給にも魅力を感じました。
しかし、いろいろ調べていく中で、私には一つ気になっていたことがありました。
それは、自分自身の健康と家族のことです。
現在の私は、幸い大きな病気もなく健康に働くことができています。
だからこそ、「健康で働けているうちに年金を受け取り、そのお金を自分自身の人生に生かしたい」という気持ちもありました。
また、私の家系を振り返ると、必ずしも長寿の家系とは言えません。
平均寿命まで元気に過ごせるとは限らないという思いもありました。
将来は誰にも分かりません。
だからこそ、「受給額が増えるから」という理由だけで繰下げ受給を選ぶことには、少し迷いがありました。
さらに、私にはもう一つ考えていたことがあります。
私と妻は10歳以上年齢が離れています。
条件を満たせば加給年金の対象となる可能性があり、その場合は妻が65歳になるまで受け取れる可能性があります。
この制度については、私自身も年金制度を調べるまで詳しく知りませんでした。会社や自治体から積極的に教えてもらえるものではないため、自分から調べて初めて気付く制度の一つでした。
こうした制度も含めて考えると、単純に年金額だけを比較して判断することはできませんでした。
退職後も再就職し、働きながら生活していく予定。
退職金や企業型DCで住宅ローンを完済する計画。
子どもたちの教育費。
そして、家族全体の生活設計。
これらを総合的に考えた結果、現時点では65歳から受け取るという考え方が、私には一番合っているように感じています。
もちろん、これはあくまでも現時点での考えです。
制度が変わることもありますし、自分自身や家族の状況が変われば、考え方も変わるかもしれません。
だからこそ、「一度決めたら終わり」ではなく、その時々の状況に合わせて見直していくことも大切だと思っています。
年金には正解があるわけではありません。
大切なのは、誰かと同じ選択をすることではなく、自分自身と家族にとって納得できる選択をすることではないでしょうか。
私自身、制度を調べながら何度も考え、悩みました。
その時間があったからこそ、自分なりの答えを見つけることができたのだと思っています。
退職後の人生は長く続きます。だからこそ、一つひとつの制度を理解し、自分と家族にとって納得できる選択をしていくことが何より大切だと、私は感じています。
【次回予告】
第35話 加給年金とは?私が見逃せないと思った制度
年金制度を調べていく中で、私が「これは知っておいて良かった」と感じた制度があります。
それが「加給年金」です。
条件を満たしていても、自分から調べなければ気付かない可能性がある制度です。
第35話では、私が加給年金について調べた理由と、制度を知ることの大切さについてお話しします。


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