60歳で早期退職を考え始めた頃、私には一つ気になっていたことがありました。
それは、「年金」です。
会社員として33年間働いてきた私は、毎月給与から年金保険料が天引きされることが当たり前でした。
将来年金を受け取れることは知っていましたが、その仕組みについて詳しく考えたことはありませんでした。
しかし、退職後の生活を考え始めると、年金は生活を支える大切な収入になります。
だからこそ、退職する前から制度について調べ始めることにしました。
調べてみると、年金には老齢基礎年金と老齢厚生年金があること。
受給開始年齢にはいくつかの選択肢があること。
さらに、働き方によっては、受け取れる年金額に影響する場合があることも分かりました。
今まで何となくしか知らなかった制度には、さまざまな仕組みがあることを知りました。
最初は専門用語も多く、正直なところ難しく感じました。
それでも、一つひとつ調べていくうちに、「分からないこと」が少しずつ「理解できること」に変わっていきました。
私は退職前に、おおよその生活設計を立てていました。
退職金や企業型DCをどのように活用するのか。
住宅ローンをどうするのか。
子どもたちの教育費をどう確保するのか。
そして、年金をどのように考えるのか。
これらを一つずつ整理することで、退職後の生活を具体的にイメージできるようになりました。
もちろん、年金だけで将来を考えたわけではありません。
再就職後の収入。
家族の生活。
これから必要になる支出。
さまざまなことを総合的に考えながら、将来の見通しを立てていきました。
その中で改めて感じたのは、年金は「受け取る時期」だけを考えるものではないということです。
まずは制度を知ること。
自分がどのような年金を受け取れるのかを理解すること。
それが、将来への安心につながる第一歩でした。
退職を考えている方の中には、「年金はまだ先の話だから」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私自身は退職前から調べ始めたことで、落ち着いて将来設計を考えることができました。
早めに制度を知ることは、決して無駄にはなりません。
今振り返ると、退職という大きな決断を支えてくれたのは、早いうちから制度を知ろうとした、その準備だったのだと思います。
【次回予告】
第32話 年金の受け取り時期をどう考えたか
年金制度を調べていく中で、私が特に時間をかけて考えたことがあります。
それは、「いつから受け取るのが自分に合っているのか」ということでした。
繰上げ受給、65歳から受け取る通常の受給、繰下げ受給。
それぞれに特徴があり、正解は一つではありません。
第32話では、私が年金の受け取り時期をどのように考え、判断したのかをお話しします。


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