2025年の秋。
60歳で早期退職することを考え始めていた頃、私のもとに一通のお知らせが届きました。
それは、長年会社員として働く中で積み立ててきた、企業型DC(確定拠出年金)の満期のお知らせでした。
正直に言うと、それまで企業型DCについて深く考える機会はあまりありませんでした。
毎月、会社の制度として積み立てられている。
将来のためのお金である。
その程度の認識だったと思います。
しかし、退職という大きな転機を迎える中で、そのお知らせを見た時、初めて自分自身のお金として向き合うことになりました。
「このお金を、これからどうするべきなのだろう。」
そんな疑問が浮かびました。
企業型DCは、受け取り方を自分で選択する必要があります。
一括で受け取るのか。
それとも、年金として分けて受け取るのか。
どちらが自分にとって良い選択なのか、すぐには判断できませんでした。
退職金については、長年働いてきた会社から受け取るものとして、ある程度イメージがありました。
しかし、企業型DCについては、自分の将来のために積み立てられ、運用されてきた大切なお金です。
だからこそ、簡単に決めることはできませんでした。
私は、税金のこと。
将来の生活費のこと。
年金を受け取るまでの期間のこと。
さまざまな角度から調べました。
調べていく中で感じたことがあります。
それは、
「お金は、ただ貯めておけば安心というものではない。」
ということでした。
大切なのは、そのお金をいつ、どのように使うのかを、自分自身で考えることなのだと思います。
私は、税金や将来の生活費、住宅ローンのことなど、さまざまな面から総合的に考えました。
その結果、企業型DCは一括で受け取ることを選択しました。
受け取った資金の一部は住宅ローンの完済に充て、残りはこれからの生活や将来に備えるための資金として積み立てることにしました。
住宅ローンという毎月の大きな負担をなくしながら、同時に将来への備えも残す。
それが、これからの人生を安心して歩むために、私が選んだ方法でした。
会社員として働いていた頃は、給与から天引きされるものについて、深く考える機会は多くありませんでした。
しかし、退職を前にすると、これまで会社が準備してくれていた制度や、自分が積み上げてきた資産について、一つひとつ向き合う必要があります。
企業型DCの満期のお知らせは、単なる手続きの案内ではありませんでした。
これから始まる人生後半を、自分のお金とどう向き合っていくのかを考えるきっかけになった出来事でした。
この選択が正しかったのかは、これからの人生の中で、自分自身が答えを作っていくものだと思っています。
次回予告
第30話 退職後のお金をどう管理するか
退職金、企業型DC、そしてこれからの生活費。
会社員時代とは大きく変わったお金との向き合い方。
収入が変わる中で、私は家計をどのように考えたのか。
退職後の生活を安心して送るために、私が意識したお金の管理についてお話しします。


コメント