【制度】退職後の住民税はどうなる?

リスタート物語では、私自身の退職や再就職の経験を中心に書いていますが、この「制度」の記事では、そこで登場した退職後の住民税について、もう一歩踏み込んで、退職する時期による支払い方の違いや、退職後の住民税がどのように決まるのかを分かりやすく整理していきます。

「退職して収入が減ったのに、なぜ住民税はこんなに高いのだろう?」と疑問に感じている方の参考になれば幸いです。

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~退職して収入が減っても、住民税がすぐに安くならない理由~

会社を退職するとき、健康保険や年金、雇用保険など、さまざまな手続きが必要になります。

その中で、私自身が退職して改めて意識するようになったものの一つが、

「住民税」

でした。

会社員として働いている間は、毎月の給与から住民税が天引きされているため、

「毎月いくら払っているのか」

「何をもとに金額が決まっているのか」

あまり意識していない方も多いのではないでしょうか。

私自身もそうでした。

しかし退職すると、これまで会社が給与から差し引いてくれていた住民税を、自分で納めることがあります。

そして、そこで気になるのが、

「会社を辞めて収入が減ったのに、なぜこんなに住民税を払うの?」

という疑問です。

今回は、退職後の住民税について、私自身が退職して感じたことも交えながら、できるだけ分かりやすく整理してみたいと思います。


住民税は「今の収入」で決まるわけではない

退職後の住民税を理解するうえで、まず知っておきたいことがあります。

それは、

住民税は、基本的に前年の所得をもとに計算される

ということです。

例えば、2025年に会社員として給与を受け取っていた場合、その所得をもとに計算された住民税を、原則として2026年度に納めます。

会社員の場合は通常、

6月から翌年5月まで

毎月の給与から住民税が差し引かれます。

これを、

「特別徴収」

といいます。

ここが退職後のお金を考えるうえで、とても重要なポイントになります。


退職して収入が減っても住民税はすぐには減らない

例えば、前年に会社員として比較的高い給与を受け取っていた人が、今年退職したとします。

退職後の収入が大幅に減ったとしても、

今年支払う住民税には、前年の所得が反映されています。

そのため、

「今はこんなに収入が少ないのに、どうして住民税はこんなに高いの?」

ということが起こります。

退職すると収入はすぐに変わります。

しかし、住民税の負担は同じタイミングですぐに下がるとは限りません。

私も退職してから、

「退職後のお金は、現在の収入だけを見て考えてはいけない」

ということを改めて感じました。

これは健康保険の記事でも触れましたが、退職後の生活設計では非常に重要なポイントだと思います。


退職すると給与天引きの住民税はどうなる?

会社員の場合、住民税は通常、毎月の給与から天引きされています。

ところが会社を退職すると、当然ながらその会社から給与が支払われなくなります。

では、まだ支払っていない住民税はどうなるのでしょうか。

ここは、

「いつ退職するか」

によって扱いが変わります。


「退職時に住民税を全部払った」は要注意

ここは、ぜひ知っておきたいポイントです。

退職時に残っている住民税を一括して支払うと、

「これで住民税は全部払い終わった」

と思うかもしれません。

ところが、必ずしもそうではありません。

退職時に一括徴収されるのは、基本的には現在徴収中の年度分の残額です。

一方、退職した年にも給与所得があれば、その所得をもとにした住民税が翌年度に課税される可能性があります。

実際に自治体も、退職時に住民税を一括納付した人に翌年6月に納税通知書が届くケースについて、二重払いではないと説明しています。

ここは非常に分かりにくいところです。


例えば、こんなイメージです

仮に2026年2月に退職したとします。

退職時に支払う住民税と、その後に支払う住民税は、同じ所得に対する二重払いとは限りません。

2026年2月の退職時
→ 2024年中の所得をもとに計算された2025年度住民税の残額を精算

2026年6月以降
→ 2025年中の所得をもとに計算された2026年度住民税の納付が始まる

つまり、退職時に支払った住民税と6月から始まる住民税は、対象となる所得の年が違うため、二重払いではありません。

そのため、

「退職時に住民税を払ったのに、6月にまた納付書が来た!」

ということが起こり得るのです。


退職後は「普通徴収」になることがある

会社員時代は給与から自動的に差し引かれていたため、住民税を自分で納付する感覚があまりなかった方もいると思います。

退職後、給与から天引きできなくなると、市区町村から送られてくる納税通知書・納付書などを使って自分で納める普通徴収になることがあります。

普通徴収では、多くの自治体で年4回の納期が設定されています。具体的な納期限は、お住まいの市区町村で確認してください。

会社員時代は12回に分けて給与から差し引かれていたものが、自分で納付する形になるため、

「1回の支払額が大きい」

と感じることもあります。


再就職したら住民税はどうなる?

退職後に再就職した場合、新しい勤務先で住民税を再び給与から天引きする特別徴収へ切り替えられる場合があります。

手続きについては、新しい勤務先の給与担当者などへ確認してみましょう。

すでに普通徴収の納付書が届いている場合も、どこまで自分で支払い、どこから給与天引きに切り替わるのか確認することが大切です。

二重に納付しないよう、手元の納付書も確認しておきましょう。


退職金の住民税は別に考える

もう一つ混同しやすいのが、

「給与に対する住民税」と「退職金に対する住民税」

です。

退職金に対する住民税は、原則として退職金が支払われる際に計算され、退職金から差し引かれます。

つまり、

「退職金から住民税が引かれているから、その後の住民税はない」

とは限りません。

退職金に対する住民税と、前年の給与所得などに対する住民税は、分けて考える必要があります。


私が退職して感じたこと

会社員だった頃、住民税は毎月の給与明細に書かれている控除項目の一つでした。

毎月給与から差し引かれているので、

「会社を辞めたらどうなるのか」

まで深く考えたことはありませんでした。

しかし、実際に退職してみると、

収入が減る時期と、税金が減る時期にはズレがある

ことに気づきます。

退職後は給与が大きく減ることがあります。

それでも、前年に一定の所得があれば、その所得をもとに住民税が計算されます。

だからこそ、

退職後の生活費を考えるときには、住民税の支払い分も残しておく。

これは、退職を経験した私から、これから退職する方へお伝えしたいことの一つです。


退職前に確認しておきたいこと

退職前には、少なくとも次の点を確認しておくと安心です。

・現在、毎月いくら住民税が給与から引かれているか
・退職時点で未徴収の住民税はいくら残っているか
・退職時に一括徴収されるのか、普通徴収になるのか
・翌年度にも住民税が発生する可能性があること
・退職後に届く納税通知書の金額
・再就職する場合、特別徴収へ切り替えられるか

特に大切なのは、

「退職したから住民税の支払いも終わる」と考えないこと

だと思います。


まとめ|退職後の住民税は「翌年」まで考えておく

退職後の住民税で覚えておきたいのは、

① 住民税は基本的に前年の所得をもとに計算される

② 退職時期によって、普通徴収・一括徴収などの扱いが変わる

③ 退職時に住民税を精算しても、翌年度に新たな住民税が発生することがある

という3点です。

会社員の間は、会社が給与から住民税を差し引いてくれます。

そのため、自分で納めているという意識はあまりないかもしれません。

しかし退職すると、それまで会社に任せていた税金について、自分で考える必要が出てきます。

私自身、60歳で退職したことで、住民税、健康保険、年金、雇用保険など、それまであまり意識していなかった制度を一つずつ調べるようになりました。

そこで感じたのは、

退職後のお金は「今の収入」だけで考えてはいけない

ということです。

退職前に、

「退職したあと、いつ、いくらくらいの支払いがあるのか」

を確認しておくだけでも、心構えは大きく違います。

これから退職を考えている方にとって、この記事が住民税を確認するきっかけになれば幸いです。


参考・出典

東京都主税局「個人住民税」
・東京都主税局「個人住民税と特別徴収について」
・東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」

※本記事は2026年8月9日時点の制度をもとに作成しています。制度や手続きは変更される場合がありますので、最新情報はお住まいの市区町村や勤務先などでご確認ください。

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