この記事で分かること
- 60歳・完全未経験から「介護職員初任者研修」に挑んだ理由
- 在職中の「有給休暇」を活用した通学と、責任ある引き継ぎの両立
- 初日の緊張感から筆記・実技試験合格までのリアルな体験談
介護職員初任者研修の受講を決めた2つの理由
介護の仕事を目指すと決めたものの、当時の私には介護の知識も実技経験もまったくありませんでした。「現場に立つ前に、しっかりとした基本を身につけたい」と考え、介護職員初任者研修の受講を決意しました。
理由は大きく分けて2つあります。
1. 再就職を少しでも有利にするため
求人を調べると「有資格者優遇」や「初任者研修修了者歓迎」の表記が多く目につきました。未経験の60歳が本気度を示し、条件の良い再就職を果たすためには、資格という客観的な証明が必要だと感じたのです。
2. 根拠を持った知識と技術を身につけるため
高齢者との接し方や具体的な介助方法をゼロから学び、自分自身が自信を持って現場に立ちたいという強い思いがありました。
【お得な制度の活用】 研修先を探す中で、条件を満たせば受講料が実質無料になる国の補助制度があることを知りました。受講料の負担を抑えられたことはもちろん、「新しい一歩を踏み出そう」と背中を押してくれる大きな後押しとなりました。
退職直前の通学と会社への責任
研修が始まったのは退職の約1か月前。会社へ正式に退職届を提出した直後のタイミングでした。
有給休暇を活用した通学スケジュール
研修は有給休暇を利用して通うことにしました。昼間は仕事を続け、休日に研修へ通うスケジュールです。慣れない勉強と実技に戸惑うこともありましたが、「新しいスタートを切るため」という目標が日々の支えになっていました。
33年勤めた会社への最後の恩返し
もちろん、有給休暇をすべて消化して退職する選択肢もありました。しかし、33年間お世話になった会社です。後任の仲間が困らないよう引き継ぎの時間を最優先し、マニュアル作成や指導に最後まで責任を持つことを選びました。これこそが、私なりの会社への感謝の表現でした。
60歳からの学び直しと研修のリアル
迎えた初任者研修の初日。「60歳の自分についていけるだろうか……」と不安でいっぱいでしたが、教室にはさまざまな年代・目的を持った仲間が集まっていました。
座学講義で学んだ介護の心構え
講義では、高齢者の身体構造、認知症の理解、介護保険制度、コミュニケーション技法など幅広い基礎知識を習得しました。介護は単なる「身の回りのお世話」ではなく、「利用者さん一人ひとりの気持ちを尊重し、その人らしい生活を支える仕事」なのだと深く理解できました。
実技演習での苦労と達成感
ベッドから車いすへの移乗や歩行介助など、初めて経験することばかりで最初は思うように体が動きませんでした。それでも講師の先生が丁寧に繰り返し指導してくださり、一つひとつ理解できるたびに小さな自信が生まれていきました。
試験の難易度と修了証を手にした日
研修終盤の15・16回目には、筆記試験と実技試験が行われました。
筆記・実技試験の難易度について
当日はとても緊張しましたが、結論から言うと「毎回きちんと授業を受け、講師の話を聞いていれば十分に合格できるレベル」です。
これから受講を考えている方も、過度に心配する必要はありません。60歳の私でも無事に一発で合格することができました。
資格取得が教えてくれたこと
試験に合格し、修了証を手にしたときの達成感と安心感は今でもはっきり覚えています。
「これで、ついに介護職としてのスタートラインに立てた」
60歳になっても、勇気を出して一歩踏み出せば新しい世界が開けることを、この研修が教えてくれました。
次回予告(第6話・最終回)
次回は、いよいよ介護施設への初出勤日の様子をお届けします。60歳の「新人」として現場に立った日、緊張の連続の中で感じたリアルな想いと、現在の働き方についてお話しします。


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